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1階の部屋は売れにくい?売却前に知る人気条件と対策

ノウハウ

井上 大輔

筆者 井上 大輔

不動産キャリア5年

吹田市出身、吹田市在住。宅地建物取引士として18年、2級建築士、2級建築施工管理技士として35年、数々の新築・リノベーション・リフォーム現場での工事に携わる。

マンションを売却しようとした時、多くの方が気にされるのが1階の部屋は売れにくいのではないかという点です。
防犯やプライバシー、日当たりなどの不安から、売却活動を始める前から諦めてしまいそうになる方もいるかもしれません。
しかし、実は条件次第で1階の部屋を積極的に選ぶ買主も一定数おり、人気になるケースもあります。
大切なのは、売れにくいと言われる理由と、逆に評価されやすいポイントを正しく理解し、自分のマンションの特徴を整理することです。
この記事では、1階の部屋が本当に売れにくいのかという疑問から、デメリットへの対策、そして人気につながる条件まで、マンション売却を検討している方にも分かりやすく解説していきます。

マンション1階の部屋は本当に売れにくいのか?

マンションの売却を検討している方の中には、「1階の部屋は売れにくいのではないか」と心配される方が少なくありません。
たしかに、一般的な印象としては上層階の人気が高いとされることが多いです。
しかし、国土交通省の不動産価格指数や既存住宅販売量指数などを見ると、中古マンション全体の取引は増加傾向が続いており、階数だけで需要が大きく左右されているわけではありません。
実際の市場では、価格や条件のバランス次第で、1階住戸も安定して成約している状況がうかがえます。

それでは、なぜ「1階は売れにくい」というイメージが根強いのでしょうか。
よく挙げられるのは、通行人から室内が見えやすいことによるプライバシーへの不安や、窓からの侵入を心配する防犯面の懸念です。
そのほか、周囲の建物や植栽の影響で日当たりや眺望が十分に得られない可能性、道路や駐車場に近いことによる騒音なども、検討者が気にしやすいポイントです。
こうした要素が重なると、同じマンション内の中層階や高層階と比べて候補から外されやすくなり、結果として売れにくい印象につながりやすいといえます。

一方で、中古住宅市場全体を見ると、価格の上昇傾向が続くなかでも取引件数は一定の水準を維持しており、特定の階だけ極端に動きが悪いというデータは示されていません。
また、不動産会社への調査では、1階住戸について「階下への騒音を気にしなくてよい」「荷物の出し入れがしやすい」といった利点が評価されており、条件次第では積極的に選ばれるケースもあります。
つまり、1階という理由だけで一律に売却が難しくなるわけではなく、価格設定や専用庭の有無、共用部の管理状態など複数の条件との組み合わせで判断されているのが実情です。
売却を検討する際には、こうした市場の傾向を踏まえ、デメリットだけでなく需要につながりやすい要素も冷静に整理しておくことが大切です。

1階が敬遠される主な要因 市場での実際の傾向 売却時に意識したい視点
プライバシーや防犯への不安 条件次第で一定の需要 防犯対策や目隠しの工夫
日当たりや眺望の懸念 立地と方位で評価が変動 採光状況を具体的に説明
道路や駐車場からの騒音 静かな住戸は評価が安定 室内の静かさを体感訴求

1階の部屋が売れにくくなる典型的なデメリット

まず、1階の部屋で買主が気にしやすいのは、室内の見えやすさによるプライバシー面の不安です。
共用部や歩道に面している場合、カーテンを開けにくく、日中でも採光や通風を確保しづらいと感じる方が少なくありません。
その結果、同じマンション内で他の階と比較されたときに、条件が劣ると受け取られやすく、検討段階で候補から外される要因になりやすいです。
こうした心理的な抵抗感は、売却活動において内見数や問い合わせ数の差として表れやすい点に注意が必要です。

次に、防犯面や生活環境に関するリスクも、1階の評価を下げやすい要素です。
窓やバルコニーへの侵入経路が想像しやすいことから、防犯意識の高い買主ほど警戒しがちです。
また、地面に近いことで湿気がこもりやすい印象や、害虫の発生、共用通路や駐車場に近いことによる人や車の音など、生活の快適性に直結する点も、内見時に細かくチェックされます。
国土交通省の住宅・土地統計調査などでも、既存住宅の品質や居住環境への関心が高まっていることが示されており、こうしたリスク要因への目は年々厳しくなっているといえます。

さらに、マンション全体の築年数や管理状態と1階という条件が重なることで、評価が一段と下がる場合があります。
国土交通省や総務省の統計では、住宅ストックが増加し、既存住宅の選択肢が広がっていることが確認されており、買主は同じ価格帯でより新しい物件や設備水準の高い住戸を選びやすくなっています。
築年数が進んでいるのに外壁や共用部の美観が保たれていない、共用設備の更新が十分でないといった状況では、建物全体への不安が1階のデメリットと結び付き、値引き交渉の材料にされやすくなります。
そのため、1階の売却を検討する際には、専有部分だけでなく、管理状況や修繕履歴も含めて総合的に見られることを意識しておくことが大切です。

デメリットの項目 買主が気にする点 売却への影響
プライバシー面 室内の見えやすさ 内見前の敬遠要因
防犯と生活環境 侵入経路や湿気 価格交渉の材料
築年数と管理状態 老朽化や美観低下 評価全体の押し下げ

実は「1階の部屋」が人気になる条件とターゲット像

中古マンションの1階部分は、専用庭やテラスがある場合に「戸建て感覚で暮らせる」と評価されやすい傾向があります。
また、不動産事業者を対象とした調査では、「階下への騒音・振動を気にしなくてよい」「外出や荷物の搬入がしやすい」といった点が1階物件の代表的なメリットとして挙げられています。
このように、出入りのしやすさや屋外空間の使い勝手は、1階ならではの付加価値として買主から注目されやすい要素です。
売却を検討する際には、まずご自宅の1階ならではの設備や仕様を整理し、どのような暮らし方に向いているのかを意識しておくことが大切です。

さらに、子育て世帯は、ベビーカーの出し入れがしやすいことや、階下への足音を気にしにくいことから、1階部分を前向きに検討することが多いとされています。
高齢者や足腰に不安のある方にとっても、階段や昇降設備を使わずに出入りできる安心感は大きな魅力です。
加えて、ペット飼育が可能なマンションでは、散歩の出入りやケージの移動がしやすい1階部分を希望する世帯も一定数見受けられます。
このように、生活動線の短さや移動のしやすさを重視する層は、1階部分を積極的に選びやすいターゲットといえます。

また、不動産事業者への調査では、1階物件の評価を高める条件として、構造面や防音性の高さも重視されていることが分かります。
例えば、上下階や隣戸との界壁の遮音性が高い造りになっている場合、生活音への不安が軽減されるため、子育て世帯や在宅時間の長い世帯にも選ばれやすくなります。
加えて、オートロックや防犯カメラ、共用部の見通しの良さなど、セキュリティ設備が充実しているマンションでは、1階部分でも安心感が高まりやすいとされています。
このような条件がそろっていれば、「防犯が心配な1階」ではなく、「出入りが楽で暮らしやすい1階」として、むしろ比較検討の候補に入りやすくなるでしょう。

1階ならではの魅力 主なターゲット層 売却時の訴求ポイント
専用庭やテラスの活用 子育て世帯やペット世帯 遊び場やガーデニング空間
出入りのしやすい動線 高齢者を含む世帯 階段不要で移動がスムーズ
階下を気にしない生活音 子どものいる世帯 足音や物音への安心感
防犯設備が整った共用部 安全性重視の世帯 オートロックや監視体制

1階の部屋を少しでも高く・早く売却するための工夫

まずは、1階ならではのデメリットをできるだけ小さく見せる事前準備が大切です。
通行人から室内が見えやすい窓は、レースカーテンや視線を遮るインテリアで目隠しを整えておくと印象が良くなります。
また、換気や採光を意識してカーテンの開け方や家具の配置を工夫し、内覧時に明るさと風通しを感じてもらえるよう準備しておくことも効果的です。
さらに、防犯性を意識した鍵の追加や補助錠の設置など、買主が不安を抱きやすい点を事前に配慮しておくことで、安心感を高めやすくなります。

次に、広告や内覧時の伝え方として、1階の部屋だからこそ生かせる特徴を整理しておくことが重要です。
アットホームの調査では、1階物件のメリットとして「階下への騒音・振動を気にしなくてよい」「移動や荷物の搬入が楽」といった点が上位に挙げられています。
そのため、子育て世帯や高齢者、荷物の出し入れが多い方などを意識し、「階下に気兼ねなく生活できる」「段差や階段移動が少なく日常動線が短い」といった具体的な利点を丁寧に説明すると、条件に合う方の心に届きやすくなります。
専用庭やテラス、共用部への出入りのしやすさなどがある場合は、写真やコメントでしっかり伝えることが早期成約につながります。

加えて、売却価格と販売期間のイメージを現実的にとらえたうえで、戦略を立てることも欠かせません。
国土交通省の不動産価格指数などにみられるように、中古住宅全体としては流通が拡大しつつありますが、個々の住戸は立地や階数、管理状態によって成約スピードに差が出ます。
そのため、周辺の中古マンションの事例や築年数、設備水準を踏まえ、初期の売出価格をやや現実的な水準に設定し、反響状況に応じて柔軟に見直す姿勢が重要です。
販売開始から一定期間の内覧件数や問い合わせ数を目安にしながら、価格調整や写真の差し替え、広告内容の見直しを行うことで、1階のハンデを抑えつつ成約の可能性を高めやすくなります。

工夫のポイント 具体的な内容 期待できる効果
デメリット緩和準備 目隠し・防犯強化・採光整理 不安感の軽減と印象向上
メリットの訴求 動線の短さ・騒音配慮強調 適した層への魅力訴求
価格と期間の戦略 周辺相場を踏まえた設定 早期成約と値下げ抑制

まとめ

マンションの1階の部屋は、デメリットだけを見て「売れにくい」と決めつける必要はありません。
専用庭やテラス、出入りのしやすさ、防犯対策などの条件がそろえば、むしろ積極的に選ぶ買主もいます。
大切なのは、1階ならではの弱点を事前に整えたうえで、メリットを求めるターゲット層へ的確にアピールすることです。
「うちの1階は売れるのか」「どこまで手を入れるべきか」など、不安や疑問があれば、ぜひ一度ご相談ください。
物件の状態や周辺環境を踏まえ、最適な売却戦略をご提案いたします。

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