不動産売却の流れを知っていますか?手順や注意点もまとめて紹介の画像

不動産売却の流れを知っていますか?手順や注意点もまとめて紹介

ノウハウ

井上 大輔

筆者 井上 大輔

不動産キャリア5年

吹田市出身、吹田市在住。宅地建物取引士として18年、2級建築士、2級建築施工管理技士として35年、数々の新築・リノベーション・リフォーム現場での工事に携わる。

不動産の売却は、大きな資産を扱う人生の大きな出来事です。しかし「具体的にどのような流れで進めれば良いのか」「手順に抜けや漏れはないか」と、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。この記事では、不動産売却の基本的な流れと手順について、初めて売却を検討されている方にも分かりやすく解説しています。スムーズに売却を進めるためのポイントを押さえたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

売却を始める前に知っておきたい基本ステップ全体像

不動産売却をご検討されている方にとって、まず押さえていただきたいのは「全体の流れ」をつかむことです。以下のようなステップで進めると、スムーズに売却活動を進められます。

ステップ 内容 ポイント
目的・条件の整理 売却の目的や期限、希望手取り額を明確にする ご自身の優先順位をはっきりさせることが重要です
売却方法の選定 仲介と買取の違いを理解して選ぶ 「仲介」は市場価格で売れる可能性あり、「買取」は現金化が早いですが相場より低めになる傾向があります
媒介契約の選択 一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の中から選ぶ 契約によって売却活動の範囲や報告義務などが異なります

まず「目的・条件の整理」により、ご自身が何を優先するかを明確にしましょう。例えば「なるべく早く売りたい」「じっくり相場どおりに売りたい」など、目的によって最適な方法が変わります。

次に「売却方法の選定」ですが、「仲介」は不動産会社が買主を探し、広告などを通じて広く宣伝する方法です。市場価格に近い価格で売れる可能性がありますが、売れるまでに時間がかかることがある点に注意が必要です 。

一方「買取」は、不動産会社そのものが買主となりますので、売却から現金化までが非常に短期間で完了しますが、相場よりも低い価格での買取となる傾向があります 。

最後に「媒介契約の選択」についてです。「一般媒介契約」は複数の不動産会社に依頼でき、自由度が高いですが、報告義務などはありません 。一方で「専任媒介契約」は1社に限定し、2週間に1回の報告義務があります。「専属専任媒介契約」はさらに報告義務が強化され、1週間に1回の売却活動報告が義務付けられます 。

このように、売却を始める前にご自身の目的・希望・スケジュールを整理し、「仲介」と「買取」の特徴を理解したうえで、媒介契約の種類を選ぶことが、円滑な売却活動の第一歩となります。どの方法が最もご希望に合うか、ご遠慮なくご相談ください。

査定から売却活動開始までの流れ

不動産売却の「査定から売却活動開始」までの手順は、主に次のようなステップで進みます。

ステップ内容目安となる期間
査定依頼(簡易/訪問)まずは物件のデータや周辺相場をもとに「机上査定(簡易査定)」を依頼し、さらに現地調査を含めた「訪問査定」でより具体的な査定額を得ます。簡易:数時間~数日、訪問:1週間程度
媒介契約の締結査定結果を踏まえて不動産会社と媒介契約を結び、売却活動を正式に開始します。媒介契約には一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の種類があります。数日~1か月
売却活動の準備・開始物件の掃除や設備確認などの準備を行い、WEB広告、折り込みチラシ、ポータルサイト掲載などによる売却活動を開始します。即時可

以下に各ステップを分かりやすく説明いたします。

査定依頼の手順と適正価格の根拠を知る方法:
まず「机上査定(簡易査定)」を依頼して、過去の取引実績や相場をもとに概算価格を把握します。その後、「訪問査定」により、実際の室内状態や周辺環境、設備の状況を反映した価格を提示してもらいます。机上査定は数時間~数日で結果が出ることが多く、訪問査定では立ち合いのうえ1週間ほどかかる場合があります。査定額は「概ね3か月以内に売れるであろう価格」を目安に算出されることが一般的です。

例:簡易査定(机上査定)は迅速に相場把握が可能で、訪問査定はより現実に即した価格を提示してもらえます。

売り出し準備の手順:
査定結果に納得したら、不動産会社と媒介契約を結んで正式に売却活動をスタートします。媒介契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」があり、登録義務や報告頻度などが異なります。選び方により売却活動の進め方や情報共有の方法が変わります。

広告掲載や販促手続きの流れ:
媒介契約締結後、物件の魅力を引き立てるための掃除や修繕、設備点検などを行い、スムーズに見学を受けられる状態に整えます。そのうえで、WEB媒体や折り込みチラシ、不動産ポータルサイトを活用して情報を発信します。売り出し価格や時期もこの段階で調整され、購入希望者との接点を増やしていきます。

このように、「査定」で価格を把握し、「媒介契約」で売却活動を正式化し、準備を整えて「広告・販促」で販売開始へと進む流れが、不動産売却の初期段階における基本的な流れとなります。

購入希望者とのやり取りから契約までの流れ

購入希望者とのやり取りから売買契約に至るまでの流れは、以下のように進みます。

ステップ内容ポイント
内覧対応 購入希望者による内覧の実施 掃除・整理整頓を徹底し、メリット・デメリットを正直に伝えることが重要です
価格交渉・購入申込 購入申込書をもとに交渉 手付金の額や引渡し条件などを調整します
重要事項説明・売買契約 宅地建物取引士による重要事項説明の後、契約締結 契約書に署名・押印後、手付金の授受を行います

以下、各ステップの流れを順番にご案内いたします。

まず、購入希望者の内覧希望があった場合には、物件の第一印象を左右する清掃や整理整頓を徹底してください。明るく見せる工夫や、設備の良い点・注意点を率直にお伝えすることで、信頼感が生まれます。効果的な内覧対応は売却成功に直結します。

次に、購入申込書(買付申込書)を受け取ったら、価格・引渡し時期・手付金の額・融資条件などについてすり合わせます。購入申込書は買主の意向を示す文書であり、交渉の出発点になります。たとえ希望価格に満たない場合でも、交渉内容は不動産会社を通じて報告されますので、ご安心ください。

その後、宅地建物取引士が重要事項説明を行います。これは物件の権利関係や法令上の制限、設備の現況や管理費の有無など、重要事項を買主に書面で説明する法定の手続きです。買主が納得したうえで売買契約を締結し、手付金を授受します。手付金の相場は売買代金の5~10%程度とされ、契約の証しとなる重要な資金です。

以上のように、内覧対応から条件交渉、重要事項説明、売買契約・手付金の授受までの一連の流れをスムーズに進めることが、不動産売却成功の鍵となります。

④ 引き渡し・決済から税金・手続きまでの流れ

不動産売却の最終段階として、決済・引き渡しから税金や手続きまでの流れを整理してご案内いたします。

段階 主な内容 備考
決済・引き渡し当日 残代金の受領、鍵・書類の引き渡し、登記手続き 司法書士立ち会いのもとに行われることが多いです
抵当権抹消などの残債処理 抵当権抹消登記手続き、司法書士への手続き依頼 登録免許税は不動産1個につき1,000円が目安
税金・確定申告 譲渡所得税、住民税等の申告と納付 引き渡し日を属する年の所得として処理します

まず、決済・引き渡し当日には売主さまが残代金を受け取り、鍵や書類などを買主さまにお渡しします。司法書士が登記手続きを確認し、所有権の移転が正しく進められるよう対応されることが一般的です。司法書士の立ち会いのもとで、確実な手続きが行われます。

次に、住宅ローンの残債がある場合には、抵当権抹消登記が必要です。登記の登録免許税は不動産ひとつにつき1,000円が目安で、司法書士への報酬も加わります。複数の登記が絡むと複雑な手続きとなるため、司法書士に依頼するのが安全で円滑です。

最後に、売却によって利益(譲渡所得)が発生した場合には、税金の対応が必要です。譲渡所得は、引き渡しが完了した年の所得として扱われます。確定申告は翌年2月16日から3月15日までが期限で、税務署への提出や電子申告(e‑Tax)などで申告し、住民税もこの申告で処理されます。住民税の納付は例年6月以降となるので、ご注意ください。

このように、引き渡しから税務申告に至るまで、一連の手続きを計画的に進めることが、安心・確実な売却完了につながります。

まとめ

不動産の売却には、事前の準備から契約、引き渡しや税金の手続きまで、いくつもの流れと手順があります。それぞれの段階でやるべきことを整理し、無理なく目標に向かうことが重要です。基本的な流れを知っておけば、迷わず売却活動を進めることができます。納得できる売却を実現するために、ご自身の状況や希望をしっかり考えながら、進めていきましょう。

お問い合わせはこちら

”ノウハウ”おすすめ記事

  • 定期借地権付きマンションとは何か?購入と売却の注意点を解説の画像

    定期借地権付きマンションとは何か?購入と売却の注意点を解説

    ノウハウ

  • 決済当日は何をするか不安な方へ 不動産売却の最終日を流れで解説の画像

    決済当日は何をするか不安な方へ 不動産売却の最終日を流れで解説

    ノウハウ

  • 雨漏りしたことのある家を売るときの注意点は?戸建住宅を安心して売却する方法を解説の画像

    雨漏りしたことのある家を売るときの注意点は?戸建住宅を安心して売却する方法を解説

    ノウハウ

  • セットバックとは土地の面積が減るって本当?中古戸建や土地購入前に必ず確認したいポイントの画像

    セットバックとは土地の面積が減るって本当?中古戸建や土地購入前に必ず確認したいポイント

    ノウハウ

  • 再建築不可物件とは?購入前に知るなぜ安い理由と売却判断のコツの画像

    再建築不可物件とは?購入前に知るなぜ安い理由と売却判断のコツ

    ノウハウ

  • 公簿売買と実測売買の違いは?不動産売却購入前に必ず確認しようの画像

    公簿売買と実測売買の違いは?不動産売却購入前に必ず確認しよう

    ノウハウ

もっと見る